社長がその気にならなければ研修効果、下がります。
っていうか出ません。

どんなメンバーが、なんのために、どんなことを学び、それをどう生かそうとしてるのか。
トップがそれを把握し、受講者の上司や周囲を巻き込んでサポートする体制がどれだけ取れているか。

これ、研修において、きわめて重要なポイントです。

外部に研修を依頼する場合は、
・どんな効果を求めて導入するのか。
・受講者にどんなふうになって欲しいのか。
・それを阻害している問題は何か。
・社員の成長・変化によって、会社のビジョンがどれだけ現実ができるのか。
そういうことを共有していると効果が倍増します。

また、内部・外部にかかわらず
Off-JT研修は、研修そのものと同等に、周囲の理解、フォロー、成長支援が大切です。
・研修前に受講の意図を上司が説明する。
・研修直技に、学んだことや感想、どう生かすかなどをヒアリングする。
・その後、生かせているか、随時声かけをする。
・生かせたり改善されたなら、周囲にアウトプットさせる機会を作る。
これにより、本人が成長すると同時に、上司のマネジメント力アップ、コミュニケーションの深まり、大元の研修目的の浸透など、波及効果が高まっていくのです。

ですから、研修の実施を承認→費用対効果はどうなってる?の間には、組織として取り組むという意思表明や指示、真の問題の抽出、自らの関与、自分自身も成長しようとする姿勢が必要です。

基本的に、集合研修の講義自体は、理想論や原則論。
それを基に、事前のヒアリングや参加者同士のワークの中で、現実に即したものに落とし込んでいきます。
その落とし込みこそが研修のキモ。

例えば、社員の主体性を引き出し、会社全体の士気を高めるためにモチベーション研修をするとしましょう。
その中で、一般的な話として「上司の声かけが有効」と教えているとします。
それを聞いた部下が「うちの上司はそういうことはできないから、ムリムリ」と思ったらどうですか?

実際、いつも理由もなく怒鳴ってばかりの上司がいたら?
上司のせいにするだけで学びが止まってしまうでしょう。

えてして人は、できない・やらない理由を外に求めたがりますから。
この場合、全体への研修の前に、あるいは同時に、上司の態度の改善に取り組み、その取り組みを部下に見せることで、部下の学びの意欲に歴然とした差が出ます。
当然、現場への波及効果も上がるでしょう。

あるいは、流行ってるからと、安易にマインドフルネス研修を導入するとします。
それをトップがやらず、部下だけにやらせていたらどうでしょう?
引退間近で、今後の自社の繁栄を願って!ということならいいでしょうけど、はじめはやらされ感や反発を生みかねませんし、効果が出てきたときには、部下だけが育ち社長が取り残されてしまいます。

もちろんご自身が本当に「できている」ことならば、忙しい社長が一緒に受ける必要はありません。
でも、新しいことに取り組むのでしたら、社長が社員と一緒にそれに参加するそのような気持ちを持って臨んでいただきたい。そう思います。

外部講師は、知識やノウハウを教えるスキルは高いです実際。専門家ですから。
でも、だからといって、会社に合う、効果の出る研修を提供できるとは限りません。
成果の出る研修にするためには、事前に社長さんと講師が課題や問題を共有し、その解決の道を一緒に考える。
その工程なくして、研修効果な高まりません。
社長の、想いと本気度が不可欠です。

研修自体や社員さんの成長を、生かすも殺すも社長。
すべてはあなた次第、です。